グラスの数え方完全ガイド|「個・杯・脚・客」の違いを解説

飲み物を飲むために使う入れ物といえば、まず思い浮かぶのはグラスですよね。
水やお茶、ジュースはもちろん、ワインやビールなどのお酒を飲むときにもよく使われます。
おしゃれなカフェやレストランでは、色とりどりのフルーツジュースやアイスのスイーツがグラスに入って出てくることもあります。
そんなグラスですが、いざ何個あるか数えようとしたとき、「あれ?これってどう数えるのが正しいの?」と迷ってしまったことはありませんか?

実は、グラスにはいくつかの数え方があって、見た目や使われ方によって変わるんです。
今回は、日本語での数え方だけでなく、英語ではどのように表現するのかも合わせて紹介していきます。
知っておくと日常の会話やおもてなしの場でも役立つので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

グラスの数え方はひとつじゃない?実は4種類以上も!

「グラスを数える」と聞くと、多くの人が「1個」「2個」というふうに「個(こ)」を使うと思います。
もちろんこれも正しいのですが、実はそれだけではないんです。
グラスの形や使われる場面によって、違う数え方があるんです。

以下の表をご覧ください。

数え方 読み方 よく使われる場面や特徴
一般的なグラス(タンブラーなど)に使う
きゃく 脚がついた細長いグラス(ワイングラスなど)
きゃく 飲食店などでお客さんに提供するグラスに使う
はい 中に飲み物が入っているときに使う

このように、グラスの数え方には「個」以外にも「脚(きゃく)」「客(きゃく)」「杯(はい)」という表現があるのです。
特に接客の場やレストランなどでは、こういった言い方を耳にすることがあります。
それぞれの使い方をしっかり知っておくと、場面に合った正しい表現ができるようになりますよ。

一番よく使われるのは「個(こ)」という数え方

グラスの中でも、最もよく見かけるのが脚のついていない「タンブラーグラス」です。
これは持ち手や脚がなく、まっすぐな形をしたシンプルなガラスのコップです。
このようなグラスを数えるときには「1個」「2個」というふうに、「個(こ)」を使います。

たとえば「棚の上にグラスが3個あります」と言ったり、「グラスを5個洗ってください」とお願いしたりします。
ビールグラス、ショットグラス、ウィスキーグラスなど、どんなタイプのグラスでも、脚がないものは基本的にこの「個」で大丈夫です。

このように、「個」はグラスの形状を問わずに使える万能な数え方として覚えておくと便利です。

ワイングラスなど脚があるものは「脚(きゃく)」で数える

ワイングラスやシャンパングラスなどには、長くて細い脚がついています。
この脚の部分を英語では「ステム(stem)」と呼ぶため、これらのグラスは「ステムグラス」とも言われることがあります。

脚付きのグラスは、脚のないタンブラーとは区別して、「1脚(いっきゃく)」「2脚(にきゃく)」のように「脚(きゃく)」という単位で数えます。
このように数えることで、形が似ていてもグラスの種類を正確に伝えることができるのです。

たとえば「赤ワイン用のグラスを2脚ご用意ください」といった言い方をします。
見た目の特徴から数え方が変わるのは、日本語らしい細やかな表現ですね。

飲食店や接待の場では「客(きゃく)」と数える

高級レストランや丁寧な接客をするお店では、グラスを「個」や「脚」ではなく「客(きゃく)」で数えることがあります。
この「客」は、お客様に出すための器や道具を数えるときに使われる特別な数え方です。

たとえば、レストランのスタッフが「ワイングラスを2客ご用意しました」と言った場合、それはお客様用に2つのグラスを用意したという意味になります。
このように、接待やサービスの場で使われる数え方には、相手に対する敬意や丁寧さが込められています。

他にも、「コーヒーカップ1客」「吸物椀3客」など、飲み物や食べ物を入れる容器に対して使われることが多いです。
日本人の“おもてなし”の心が表れている美しい言葉ですね。

飲み物が入ったグラスは「杯(はい)」と数える

グラスの中に実際に飲み物が注がれているときは、「1杯(いっぱい)」「2杯(にはい)」というように「杯(はい)」という数え方を使います。
これは、グラスという“もの”ではなく、注がれている“飲み物の量”を基準にして数えるための表現です。

たとえば、「ビールを3杯ください」や「ワインを2杯いただきました」といった表現がそれにあたります。
中身が空っぽのグラスであれば「1個」「2個」で数えますが、飲み物が入っている場合には「杯」となります。

このように、同じグラスでも中に何が入っているかで使う言葉が変わるところが、日本語の面白いところです。
ちなみに「杯」は、茶碗やお椀、紙コップなど中に液体が入る容器でも同じように使われますよ。

英語ではどう数える?glassとglassesの使い方に注意

英語で「グラス」は「glass」と言いますが、これは「ガラス」という素材そのものの意味にもなります。
そのため、グラスの個数を数えるときは文脈に気をつける必要があります。

「two glasses」という表現は、「グラス2個」という意味になりますが、同じく「glasses」で「眼鏡」を意味する場合もあるので注意しましょう。
グラスに飲み物が入っている場合には、「two glasses of beer(ビール2杯)」というように、「of」を使って中身を表現します。

ここで注意したいのは、「beer」は液体なので数えられない名詞、つまり「不可算名詞」ということです。
そのため、「two beers」とは言わず、「two glasses of beer」のように、グラスという容器を基準にして表現するのです。

以下に例をまとめました。

英語表現 日本語の意味
a glass グラス1個
two glasses グラス2個(もしくは眼鏡2つ)
two glasses of wine ワイン2杯

飲み物を英語で数えるときは、容器を単位にするのがポイントです。
日本語と英語では数え方の考え方が違うので、両方知っておくと便利ですね。

最後にまとめ!グラスの数え方は意外と深い

ここまで読んでみて、グラスひとつにもいろんな数え方があることに驚いた人もいるのではないでしょうか?
日常生活で何気なく使っているグラスでも、場面や用途によってこんなに表現が変わるのです。

最後にもう一度、今回のポイントを整理しておきましょう。

  • 一般的なグラスには「個」を使う

  • 脚のついたワイングラスは「脚」で数える

  • お客様に出すグラスは「客」という丁寧な数え方になる

  • 飲み物が注がれたグラスは「杯」で数える

  • 英語では「glass」「two glasses」「two glasses of beer」など容器を基準にする

こうした言葉の使い分けを知っていると、レストランでの注文やおもてなしの場面でも自信を持って話せるようになります。
言葉の奥にある文化や思いやりを感じながら、日々の会話に活かしてみてくださいね。